「業者に頼むと高いし、自分で捕まえたらあかんの?」
結論から言います。ネズミ以外の害獣は、許可なしで捕まえると違法です。
💡 家に出るネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)は鳥獣保護管理法の対象外です。市販の捕獲器や粘着シートで自分で対処できます。この記事で「許可が必要」と書いているのは、ネズミ以外の動物のことです。
環境省は「環境大臣又は都道府県知事の許可を得て行うか、狩猟者登録を受けて行う場合以外は、鳥獣の捕獲は原則として禁止」と明記しています。違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
ただし、自分でやってよいこともちゃんとあります。この記事では、その線引きをはっきりさせます。

👉 種類によって法律の扱いが変わります。どの動物かを先に絞ったほうが、この記事の話も当てはめやすくなります=害獣とは?家に出る種類一覧と見分け方
まず線引き|やってよいこと・違法になること

✅ 許可なしでやってよいこと
- 追い出す(音・光・忌避剤で居づらくする)
- 侵入口をふさぐ(金網・パテなど)
- エサ場をなくす(生ゴミ・果実・ペットフードの管理)
- 掃除・消毒する
- 庭木の枝を切る・物置まわりを片づけるなどの環境整備
❌ 許可なしでやると違法(ネズミを除く)
- わなや網で捕獲する
- 殺す
- 捕まえて飼う
- 捕まえて運ぶ・別の場所に放す(運搬そのものを禁じているのは外来生物法。アライグマなどの特定外来生物が対象)
- 卵やヒナを勝手に取る
根拠になっている法律【一次情報】

① 鳥獣保護管理法(ほとんどの害獣がこれ)
正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」です。
👉 表は横にスクロールできます
※環境省「野生鳥獣の違法捕獲の防止」で確認(2026年9月3日時点)。
② 外来生物法(アライグマはこちらも重なる)
- ✅ アライグマは「特定外来生物」に指定されています
- ✅ 飼養・保管・運搬・野外への放出が原則禁止
- ✅ 捕まえて別の場所に放すと、罰則がさらに重くなります(野外への放出は個人の場合3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方。無許可の飼養・保管・運搬は1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金)
「かわいそうだから山に逃がそう」——これも、いちばん重い部類の違反です。善意であっても、飼うのと同じ重さの罰則が科される行為です。
※環境省の外来生物法に関する公表資料で確認(2026年9月3日時点)。
③ コウモリは特に注意
家に住みつくアブラコウモリも鳥獣保護管理法の対象です。殺すことも捕まえることもできません。
できるのは追い出し・侵入口の封鎖・掃除まで。捕まえること・殺すことはできません。しかも出産・哺育期(おおむね6〜8月・編集部の整理)は、飛べない子どもが取り残されるため、追い出し自体を避けるのが基本です。
自分でできる対策|正しい順番

ここからは許可なしでできることです。順番を間違えると事故になるので、この順で進めてください。
⚠️ この作業には感染症と高所のリスクがあります。次の章もあわせて読んでから始めてください。
1 エサ場をなくす
生ゴミはフタつきの容器へ。庭の柿・ビワなどの果実は落ちたら拾う。ペットフードを外に置きっぱなしにしない。ここを放置すると、追い出しても戻ってきます。
2 忌避剤・光・音で追い出す
唐辛子成分の忌避剤、燻煙剤(火気・火災警報器・ペットの扱いは製品の注意書きを必ず確認)、ラジオや強い光など。置く場所は「侵入口から一番遠いところ」——侵入口をふさぐように置くと、逃げ道がなくなって逆効果になります。
3 出ていったか、数日かけて確認する
物音がしなくなったか、新しいフンが増えていないかを数日チェック。ここを飛ばすのが一番の失敗です。
4 侵入口をふさぐ
金網・パンチングメタル・専用パテで密閉。別の穴が1つ残っていれば、また同じことになります。
5 掃除・消毒する
フン尿の除去と消毒。においが残ると、仲間を呼び戻す原因になります。防護マスク・手袋は必須です。
🚨 絶対にやってはいけない順番
中にいるまま、先に侵入口をふさぐ——これが最悪です。
閉じ込められた動物が家の中で死に、強い腐敗臭とウジ・ハエが発生します。天井を開けて回収する工事が必要になり、追い出すより高くつきます。
順番は追い出す → 出たか確認する → ふさぐ。
しかもこれは事故の話だけではありません。閉じ込めて死なせてしまうと、法律上の「捕獲等(殺傷を含む)」に当たるおそれがあります。ここだけは崩さないでください。
自分でやる場合のリスク【正直に書きます】

「やってよい」ことでも、リスクはあります。知らずに始めて後悔する人が多いところです。
🦠 感染症・寄生虫
フン尿にはダニ・ノミ・病原体がいます。乾いたフンを吸い込むのも危険。マスクと手袋なしで屋根裏に入らない。
🤕 高所での事故
屋根裏や屋根の作業は転落・踏み抜きの危険があります。2階以上の高所作業(屋根・外壁)は自分でやらない。
🐾 咬まれる・引っかかれる
追い詰められた動物は攻撃します。子育て中は特に気が立っています。直接近づかない。
🔄 侵入口の見落とし
ハクビシン成獣は一辺8cmの正方形、直径9cmの円形の入口から侵入できます(農研機構)。1か所ふさいでも別の侵入口が残っていれば再発します。
ここから先は業者に頼んだほうがいい線
- ✅ 捕獲が必要な状態(許可の申請から必要になる)
- ✅ すでに繁殖している(子どもがいると追い出しでは出ていかない)
- ✅ 2階以上・屋根の高所作業が必要
- ✅ フン尿で断熱材が汚染されている
- ✅ 追い出しを2回試して戻ってきた
とくに捕獲は、許可の申請からわなの設置、捕獲後の処分まで必要になります。
🚨 「市に箱わなを借りれば、自分で仕掛けてよい」ではありません
市区町村の箱わな貸出は、捕獲の許可とセットで運用されています。その形は自治体によって違います。
・市の許可の範囲内で貸し出す型(船橋市=設置・撤去・捕獲個体の回収は市の委託業者が行い、依頼者はわなの管理とエサの準備を担当。設置は敷地内のみ)
・先に捕獲許可を受けた人が対象の型(高崎市=鳥獣の捕獲許可を受けた方に箱わなを貸し出す)
どちらにしても、借りてきて勝手に仕掛けてよいという制度ではありません。必ず窓口で、許可がどう扱われるかを確認してください。
👉 市の制度については害獣駆除は市役所に頼める?で、費用の目安は害獣駆除の費用相場はいくら?でまとめています。
許可・高所・繁殖——ここから先は見積もりで確かめる
捕獲、高所での作業、繁殖している状態——ここは自分でやると違法になるか、危険になる範囲です。
調査と見積もりを無料にしている業者を選べば、「自分でやれるか、頼むべきか」を判断する材料だけもらうこともできます。
調査・見積もりは無料と各社が案内しています(条件により有料の場合あり)。相談したからといって、契約する義務はありません。
よくある質問(FAQ)
まとめ|「追い出す」までが自分の仕事

もう一度だけ、線を引いておきます。
✅ 追い出す・ふさぐ・掃除する = 自分でできる
❌ 捕まえる・殺す・運ぶ・放す = 許可がいる
※ネズミ(家ネズミ類)は対象外で、自分で捕獲できます
そして順番は「追い出す→確認する→ふさぐ」。ここを守れば、自分でやれる範囲はけっこう広いです。
逆に、繁殖している・高所作業が必要・2回試して戻ってきた——このどれかに当てはまるなら、無理をせず見積もりを取ってください。閉じ込め事故を起こすと、最初から頼むより高くつきます。
この記事の調べ方(編集部)
法律と罰則は、2026年9月3日にe-Gov法令検索の現行条文で確認しています(罰則の表記は2025年6月1日施行の刑法改正で「懲役」から「拘禁刑」に変わっています。公的機関の解説ページでも旧表記が残っている場合があります)。
・環境省「野生鳥獣の違法捕獲の防止」(捕獲の原則禁止・許可者・罰則)
・e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(第8条・第9条・第83条)
・e-Gov法令検索「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(第4条・第9条・第32条・第33条)
・農研機構「ハクビシンが侵入できる隙間の大きさ」
・環境省の外来生物法に関する公表資料(アライグマの規制と罰則)
一方、対策の手順や道具の使い方は、一般に案内されている方法をまとめたもので、特定の製品の効果を保証するものではありません。
法令の運用や許可の要件は自治体によって異なります。捕獲を検討する場合は、必ずお住まいの自治体の窓口にご確認ください。


