「広告は500円からやったのに、請求は10万円やった」
これは作り話ではありません。国民生活センターに実際に寄せられた相談です。
しかも、こうした相談は2023年度に2,290件。5年前の2.7倍に増えています(倍率は公表値から編集部が算出)。
この記事では、公表されている実際の相談事例をそのまま並べたうえで、依頼する前に見抜く方法をまとめます。

👉 相場を知っていること自体が、いちばんの防御になります。相場の実数は害獣駆除の費用相場はいくら?に、動物ごとの違いは害獣とは?家に出る種類一覧と見分け方にまとめています。
数字で見る実態|相談は5年で2.7倍

まず、どれくらい起きていることなのかを見てください。国民生活センターが公表している相談件数の推移です。
👉 表は横にスクロールできます
※国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意」(2024年4月24日公表)の図1・図2より。シロアリ駆除は除いた件数。
⚠️ 若い年代で急増しています
10〜20歳代の相談は前年同期の約2.6倍に急増しました。2023年度は10歳代113件(5.5%)、20歳代439件(21.5%)で、およそ4人に1人が20代以下です(割合は年代が分かる2,043件を母数にした国民生活センターの集計)。
「初めて自宅でゴキブリを見た」——そのパニックにつけ込まれる形が典型とされています。
実際の相談事例|広告の額と請求額

公表されている5つの事例です。広告に出ていた金額と、実際に請求された金額を並べます。
👉 表は横にスクロールできます
※国民生活センターの同資料「1.相談事例」より(いずれも2023年受付)。
「約500円」が「約10万円」に、「約700円」が「約100万円」に。ケタが2つも3つも違います。
国民生活センターが整理した6つの問題点

国民生活センターは、相談事例から問題点を6つに整理しています。この6つを知っておくだけで、かなり防げます。
1 ネットの料金と実際の料金がかけ離れている
格安表示で呼ばせて、来てからケタの違う金額を出す。公表された5事例すべてに共通していた手口です。
2 不安をあおって契約を急かす
「このままではハチに刺されて死ぬ」「ゴキブリの卵もあった」「今なら約150万円を約100万円にする」——冷静に考える時間を奪うのが目的です。
3 強引に作業を始めて代金を請求する
中断を求めても聞き入れず、「作業した分の料金は払ってもらう」と請求する事例があります。
4 複数の見積もりを取らせない
パニックと急かしの結果、比べる機会そのものが奪われる。あとで他社に見せて「相場よりかなり高い」と分かる、という順になりがちです。
5 契約書の中身が「一式」だけ
サービス内容が書かれていない書面。訪問販売に当たる場合、業者には種類・数量・価格などを記載した書面の交付義務があります。
6 クーリング・オフを妨害する
申し出たのに「できない」と言われる事例が報告されています。業者が「できない」と言っても、それが正しいとは限りません。
依頼する前に見抜く|チェックリスト

電話をかける前、そして来てもらってから。この順番で確認してください。
📱 電話をかける前に見るところ
- ✅ 3ケタ台の価格表示を前面に出していないか(「500円〜」「980円〜」)
- ✅ 運営会社の名前・所在地・法人格がサイトに書かれているか
- ✅ 料金の内訳(何にいくら)が説明されているか。総額だけでないか
- ✅ 「追加料金なし」と書いてあるなら、どこまでが含まれるかが書いてあるか
🏠 来てもらってから見るところ
- ✅ 見積書に「一式」しか書かれていない——これは危険信号
- ✅ 「捕獲します」と言うのに許可の話が出ない——ネズミ類を除き、捕獲には許可が要ります(法律の線引き)
- ✅ その場で契約を迫る(「今日決めれば安い」「今すぐやらないと」)
- ✅ 他社と比べたいと言うと嫌がる/話をそらす
- ✅ 断っているのに作業を進めようとする
- ✅ 不安をあおる言い方(「死ぬ」「訴えられる」「家が倒れる」)
「地元の業者」に見えて、実は違うことがある
もう一つ、サイトの見た目では分かりにくい話をします。
「◯◯市の害獣駆除」といった地域名のサイトでも、運営しているのが遠く離れた会社ということがあります。地域名のドメインとページを大量に作って、全国から問い合わせを集める作り方です。
これ自体は違法ではありませんし、対応が丁寧な会社もあります。ただ、「近所の会社だと思って頼んだのに違った」という食い違いは避けたいところです。
🔍 見分け方(編集部が実際に使っている手順)
- サイト名でなく「運営会社」で見る——会社概要ページの所在地を確認する
- 電話番号を検索窓に入れてみる——同じ番号が別の地域名サイトにも出てくるなら、同一の運営元である可能性が高いです
- 住所を地図で引いてみる——実在しない住所や、事務所らしくない場所のことがあります
※編集部が給湯器サイトの調査中に実際に出会った手口を、確認方法として一般化したものです。特定の会社を指すものではありません。
契約してしまったら|クーリング・オフ

もう払ってしまった、契約書にサインした——それでも打つ手はあります。
✅ 訪問販売に当たる場合、8日以内ならクーリング・オフできます
特定商取引法上の訪問販売に該当する場合、契約書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、無条件で契約を解除できます。
自分で呼んだ業者でも、依頼した内容と違う契約をその場で勧められて結んだ場合は、訪問販売に当たることがあります。広告の表示額と請求額の開きが大きいときは、該当するかをまず消費生活センターに確認してください。
※特定商取引法第9条は、8日の起算日を「法定の記載事項を備えた書面を受け取った日」としています。「一式」しか書いていない書面は記載事項に不備がある可能性があり、8日を過ぎても解除できる場合があります(該当するかは消費生活センターへ)。
🚨 業者に「できない」と言われても諦めない
クーリング・オフの申し出を妨害している事例が、実際に報告されています。判断は業者ではなく、消費生活センターに聞いてください。
- ✅ 消費者ホットライン「188」(いやや)——最寄りの消費生活センターにつながります
- ✅ 契約書・見積書・広告のスクリーンショットは捨てずに残す
- ✅ やり取りの日時と内容をメモしておく
また、各都道府県のペストコントロール協会には「害虫相談所」が設けられ、住民からの相談を無料で受け付けていると国民生活センターの資料に記載されています。会員企業の名簿も公開されています。
👉 自治体の相談窓口と使える制度は害獣駆除は市役所に頼める?にまとめました。
急かさない業者の選び方|まずは無料の見積もりから
ここまで見てきた手口は、どれも比べさせないことで成立しています。
逆に言えば、相見積もりを普通に受け入れる業者を選ぶことが、いちばんの予防になります。
👉 業者を比べる物差しは害獣駆除業者の選び方|当サイトの評価軸9項目に。「地元の業者に見えて実は違う」は軸6(運営会社の実在)で見分けます。
調査・見積もりが無料の業者なら、確かめるだけで費用は発生しません。
調査・見積もりは無料と各社が案内しています(条件により有料の場合あり)。相談したからといって、契約する義務はありません。
よくある質問(FAQ)
まとめ|相場を知っていることが最大の防御
ここまでの数字と事例で見えてくるのは、手口が驚くほど共通しているということです。
✅ 覚えて帰ってほしい3つ
① 3ケタ台の激安表示は警戒——最低料金で終わることはまずない、と国民生活センターが注意喚起
② 「今日は契約しません」を最初に言う——急かす業者はそこで分かる
③ 契約しても8日以内ならクーリング・オフ——業者の「できない」を鵜呑みにしない
そして、いちばんの防御は先に相場を知っておくことです。金額の見当がついていれば、ケタが違う請求はその場で気づけます。
慌てて1社に決めるのではなく、調査と見積もりが無料の業者を2〜3社。それだけで、この記事に出てきたトラブルの多くは防ぎやすくなります。
この記事の調べ方(編集部)
相談件数・年代別の内訳・相談事例の金額・問題点の6分類・消費者へのアドバイスは、すべて下記の公表資料から引用しています(2026年9月3日確認)。
・国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意-若い年代でトラブル急増中!-」(2024年4月24日公表)
・クーリング・オフの期間は特定商取引に関する法律(e-Gov法令検索・第4条・第5条・第9条)にもとづく記載です
一方、「依頼する前のチェックリスト」と「地元業者かどうかの見分け方」は、上記の問題点と編集部の調査経験をもとに整理したもので、公的機関が示した項目そのものではありません。
個別のトラブルの判断は、消費者ホットライン「188」または最寄りの消費生活センターにご相談ください。


